各ベンチャーキャピタルは独自のデューデリジェンス(Due Diligence)プロセスを持ち、産業・市場・財務・ビジネスモデルなど、複数の視点から評価を行います。
また、専門家による意見も組み合わせながら、総合的に案件を判断します。
本稿は、比翼生医創投による新興企業向けシリーズの第一弾です。
- 前編では、投資家がどのように「技術的デューデリジェンス」を行うかを解説します。
- 後編では、製品開発プロセスの評価方法について紹介します。
比翼生医ベンチャーキャピタル 医療アフェアーズ上席マネージャー 沈 信緯
技術的実現可能性(Technical Feasibility)
デューデリジェンスの第一歩は、技術の実現可能性と信頼性の評価です。
提案された技術に関する文献やエビデンスが存在するか、どのような臨床的課題を解決するのかを確認します。
投資家は次のような観点から評価を行います:
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技術が解決しようとする課題の歴史的背景と市場上のギャップ
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現在の開発段階および既存技術との差別化要素
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技術的な障壁や競争優位性の有無
さらに、開発チームが必要なインフラと技術力を保有しているかも重要です。
たとえば、遠隔医療には5G通信、イメージガイド手術には画像装置の整備が不可欠です。
新しい医療技術は必ず安全性と有効性の実証が求められます。
プレクリニカル試験や検証データを提示できれば、投資家の信頼性は大幅に向上します。
また、新技術は新たなリスクを伴う場合もあるため、企業が提出するリスクアセスメントの妥当性とリスク低減策も確認対象となります。

投資家との接触前に、スタートアップ自身がデューデリジェンスの全体像を理解しておくことが重要です。
技術保護力(Intellectual Property Protection)
技術の保護力、すなわち知的財産(IP)戦略は投資家評価の中核を占めます。
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技術が既存特許を侵害していないか(FTO分析)
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自社技術に特許出願・登録があるか、その権利状態
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特許の取得国がターゲット市場と一致しているか
これらを確認することで、投資家は技術の独自性と防御力を判断します。
企業は特許証明書や出願書類を提示し、知財ポートフォリオの合理性を説明できる必要があります。
技術の独自性と臨床価値
投資家は、他社技術と比較しながら、提案技術の差別化要因と市場価値を分析します。
そのため、企業は競合比較(predicate comparison)やFDAデータベース分析を行い、既存製品の適応症・仕様・使用目的などを把握することが求められます。
また、臨床的視点から同じ適応症でも複数の治療選択肢が存在します。
たとえば、子宮筋腫では薬物治療・塞栓術・開腹手術・低侵襲手術などがあり、コストとリスクは異なります。
投資家が重視するのは、「未充足の臨床ニーズ(Unmet Need)」を明確に解決しているかどうかです。
医師・研究者・業界専門家へのヒアリングを通じて、技術の臨床的意義と実現可能性を示すことが重要です。
最終的に、技術が生み出す価値を定量的に示すことが求められます:
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医療従事者の作業時間短縮による人件費削減
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手術精度向上による医療過誤の減少
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検査精度向上による患者の死亡率低下
投資家が求めるのは、“あれば便利”な技術(Nice-to-have)ではなく、“必須(Must-have)”な技術です。
お問い合わせ:Joseph.Shen@be.tworg.app









