前編では、投資家が新興企業のチームやビジネスモデルをどのように評価するかを説明しました。
後編では、**製品開発プロセスを通じた技術的デューデリジェンス(技術評価)**に焦点を当てます。
ソフトウェアとハードウェアの開発プロセスには違いがあるものの、どちらも合理的なタイムラインとマイルストーンが必要であり、各段階におけるテスト・レビュー記録を保持することが求められます。
比翼生医ベンチャーキャピタル 医療アフェアーズ上席マネージャー 沈 信緯
開発前の準備
専門人材は開発プロセスにおける最も重要なリソースです。
医療機器の開発には、研究開発・品質保証・法規制・臨床・営業など、多様な職能を持つ専門チームが必要です。スタートアップの場合、複数の役割を兼務することもありますが、組織構造と責任分担を明確に定義することが不可欠です。
企業は、学歴・職歴・教育訓練などの記録を整備し、各メンバーが担当職務に必要な能力を備えていることを証明する必要があります。
一般消費財と異なり、医療機器は市場投入前に厳格な規制当局の審査を受ける必要があります。
したがって、開発初期段階から試験計画・適用規格・期間・予算を明確に策定すべきです。
また、規格要件は製品設計に大きく影響するため、早期に規格条文を把握し、それに沿って設計することが望ましいです。
同様に、ターゲット市場に応じた法規制経路と提出文書の計画を早期に策定することで、後工程の修正に伴うコストと時間を削減できます。
投資家は、企業が提示する法規戦略・開発スケジュールの妥当性を重要視します。

製品開発プロセスそのものが、投資家による技術的デューデリジェンスの核心部分です。
開発から設計へ
医療機器の設計・開発は厳密に実施される必要があり、FDAガイドラインなどの国際標準を参考に進めることが一般的です。
まず、ユーザーのニーズを明確化し、それをエンジニアリング仕様へと落とし込みます。
開発後は、製品および臨床検証を通じて安全性と有効性を確認します。
投資家にとっては、スタートアップが体系的かつ適切な開発プロセスを実行しているかどうかが重要な判断基準となります。
プロジェクトスケジュールと人員配置を照らし合わせることで、計画の合理性を評価できます。
さらに、競合他社の製品を参照し、検証手順や法規対応が十分かつ現実的かを比較検討します。
デューデリジェンスの一環として、開発チームや品質部門へのインタビューを行い、課題と対応策を理解することは、チームの成熟度や実行力を判断するうえで有効です。
開発後の検証
開発完了後、医療機器は各国の規制当局やリスク分類に応じて、臨床試験や有効性検証が求められます。
臨床試験には多大なコストがかかり、その予算配分と戦略設計が製品品質とスケジュールに大きな影響を与えます。
したがって、投資家はチームがどのように臨床検証計画を構築し、リソースを最適化しているかに注目します。
このように、技術・開発面からのデューデリジェンスは、スタートアップのチーム・技術力・市場適応性を深く理解する上で重要であり、投資判断の信頼性を高めるものです。
お問い合わせ:Joseph.Shen@be.tworg.app









